2018年03月30日

模造刀制作に挑む

作刀(模造刀)の制作に挑む心構えを説明致します。

理解を深めていただくために、私の経験を少しだけ。

作刀の企画段階で坂本龍馬への思いを込めて自分の一振りを考える事にしました。

作刀(拵え)のヒントは?
一番の悩ましい事はこれです。

この企画をまとめるまで約一ヶ月。

龍馬は11月15日生まれ、奇しく没日も同じく11月15日だった事に気づき
11月にこだわり御刀は秋草で拵えてみたい。

龍馬の愛刀は「吉行」と言われており京都に現物がある。

但し、拵えは旅の途中で路銀の足しの売った伝えられている。

そこで自分なりの思いを込めて。


選んだ鍔は菊花の図。


縁頭も秋草。


目貫も秋草。


刃文は直刃。

これなら満足の行く一振だろうと考えました。

次回からは作刀、検品までをご説明いたします。  

Posted by 輝 at 08:50Comments(0)

2018年03月27日

ダイヤモンド砥石、普段活用

ダイヤモンド砥石、普段活用

・砥がない(理由)
 めんどうだから
 それなりに切れれば良い
  大きな砥石は邪魔になる
 簡易砥ぎ器で充分じゃないの
 などなど
・砥ぎます(簡単なら)
 すっと出せてすっと砥げるなら
 その割には本格的に刃が付けられる
 DIAは面直しは不要なんです


・砥ぐ(少しだけその気になりましたか?)
 なぜに砥ぐのかが分かればその気になります
 洋包丁は小刃部分は広くなると、切れる事は切れるが
 根菜類などは刃がすっと入り難くなる
 その広くなった部分は砥石(DIA)で砥いで薄くすべきだから

・砥ぐ時(何時砥ぐの?)
 調理の直前はいけません
 金属臭が食べ物に移ります
 俗に「かなっけ」などと言います
 漫画、美味しいぼにも出てきますね
・砥げば(上手く砥げたら)
 切れる刃物で切ると細胞(旨み)を極力壊さず切れるので美味しい
 万が一手を切っても治りが早い
 でも切れる包丁ならば無駄に力を入れずに済むので手を切ることも少ないはず
・砥ごう(是非是非)
 縦砥ぎ、横砥ぎで初心者でも上手に砥げます
 縦砥ぎであれば砥石と峯の間の角度が初心者でも保たせ安い(良く言われるコイン1,2枚の角度)
 
 ご家庭でお使い下さい
 海外在住の方にも喜ばれると思います
  

Posted by 輝 at 10:54Comments(0)

2018年03月26日

和包丁製作工程(最後に)

近年は生産性向上、ミス率の低減を考慮して
・鍛接
利器材活用
・焼入れ・焼戻し
焼き入れ炉でのオートメーション化
などなどの取り組みが行われています。



ますます需要の高まるであろう和包丁。

高い品質と適正な価格、間違えのない、産地を代表する
商品の生産に努力して欲しいものです。

もちろん作り手も、売り手も心して。   

Posted by 輝 at 14:08Comments(0)

2018年03月20日

和包丁製作工程(柄付け)

柄付け

和包丁の製作は分業の賜物。

鍛冶師、砥ぎ師などの手を経て、最後の工程が柄付け。

これは問屋さんの作業。

最終の検品をしながらの作業。

柄を取り付けるために包丁の柄の部分をガスバーナーで焼く。

これは、柄が抜けるのを防ぐためである。

加熱した包丁の柄の部分を木柄に差し込み、下から木づちでたたきこんでできあがり。

販売店さん、卸問屋にもよりますが、あえて柄を付けずに出荷する事もあります。

柄付け

  

Posted by 輝 at 05:26Comments(0)

2018年03月17日

和包丁製作工程(仕上げ砥ぎ)

仕上げ砥ぎ

切れ味を良くするため刃先の厚みが0度の線になるように目の細かな砥石で裏から表に砥ぎあげる。

仕上げ砥ぎ室内

仕上げ砥ぎ

  

Posted by 輝 at 17:16Comments(0)

2018年03月16日

和包丁製作工程(バフ磨き)

バフ磨き

包丁に光沢を出すため羽布研磨機で磨く。
*羽布は木綿布に金剛砂を付着させたもので、そのほかにツヤだしとして
スギ・ホウ・ツバキなど木製の物がある。

バフ磨き

  

Posted by 輝 at 12:21Comments(0)

2018年03月15日

和包丁製作工程(歪とり)

歪とり

焼き入れで生じた狂いを金槌で叩いて直す。

歪取り


  

Posted by 輝 at 04:34Comments(0)

2018年03月14日

和包丁製作工程(荒砥ぎ)

荒砥ぎ

粗目の研ぎ機で裏・平・切り刃を砥ぎ刃先の厚みが0.5ミリメートルぐらい
になるまでとぎおろす。

荒砥ぎ
  

Posted by 輝 at 06:24Comments(0)

2018年03月12日

和包丁製作工程(焼き入れ)

焼き入れ

油気やよごれをとりさった包丁に、焼むら防止のため、包丁全体にどろ水を塗る。

これは、水に入れたとき、すぐに水をひきつけ、気泡を防止することで
はやく平均に、焼き入れができるためである。

焼き入れは、鋼の硬度を高めるために必要である。

どろ水をぬった包丁は、炉の後部の余熱で乾かす。

この時、熱を加えても落ちない土が必要で、どろ水は山土を水で溶かし
松炭の粉と砥石の粉をすこしまぜてある。

焼き入れには、包丁を炭火又はコークスで750~800℃に加熱する。

加熱した包丁を水で冷却する作業を「焼き入れ」といって、いちばん緊張する時である。

この場合、水はカルキ(塩素)を取り除いた物を使用する。

焼き入れ炉と水槽

焼き入れ前

泥塗り

焼き入れ後

焼き入れ炉

  

Posted by 輝 at 08:08Comments(0)

2018年03月11日

和包丁製作工程(すりまわし)

すりまわし

包丁の回りをなめらかにするために砥ぐ作業。

この作業がしっかりされると、職人さんの指への当たりが柔らかで使いやすい包丁が出来上がります。

これも心配りです。

すりまわし
  

Posted by 輝 at 13:13Comments(0)

2018年03月10日

和包丁製作工程(中子(茎)型抜き)

中子(茎)型抜き

ベルトハンマーで包丁の平らな部分を形づくり柄(え)の中に入る部分を鍛造(たんぞう)する。

中子型抜

中子型抜後


  

Posted by 輝 at 09:54Comments(0)

2018年03月09日

和包丁製作工程(けがき・裁断)

けがき

見本の包丁にそって裏面に線を引く。

  

Posted by 輝 at 16:52Comments(0)

2018年03月08日

和包丁製作工程(荒裁ち)

グラインダー(研削砥石)で、鋼のついている面(裏)をみがく。

裏みがきで、はみ出た地金を、切断機で断ち切る。

荒裁ち前

荒裁ち
  

Posted by 輝 at 08:36Comments(0)

2018年03月07日

和包丁製作工程(粗たたき)

シンプルですが。

酸化被膜をとりのぞいた包丁をベルトハンマーでたたく。

  

Posted by 輝 at 16:31Comments(0)

2018年03月04日

和包丁製作工程(焼きなまし)

材質加工に合わせ調節方法を工夫して冷ます工程。

加工しやすい状態にするとともに、組織を均一にする熱処理方法。

わら灰の中で、自然にゆっくりと熱をとる。

鋼をやわらかくし鉄の内部のひずみをとるための作業。



  

Posted by 輝 at 09:06Comments(0)

2018年03月03日

和包丁製作工程(鍛造)

堺の刃物の品質は、鍛えに鍛えるこの作業の賜物。

切れる、長く切れる、鮮やかに切れる。

素材の不純物を取り除き、素地を細かく整えて行く。




  

Posted by 輝 at 05:19Comments(0)

2018年03月02日

和包丁製作工程(鍛接)

鍛接、この工程はとても重要なポイント。
注)ステンレス系鋼(銀3、V金)は一部工程が変わります。
  あらかじめプレス工程で作成された利器材使用します。

うっかりするとこの工程で不良品(あいけと呼びますが)が出てしまいます。

集中力・技が大切です。

地金(軟鉄)に刃金(鋼)を付ける工程。
硼砂(ほうしゃ)と酸化鉄を接着剤として使い地金を約900度前後の温度帯で加熱し、
ベルトハンマーで叩きながら形を造る。

「わかし接け」と呼ばれます。

  

Posted by 輝 at 08:29Comments(0)

2018年03月01日

和包丁の製造工程(なにはともあれ)

和包丁に限らず、製造方法を知る事も大切。

構造、材質などが分かれば、購入時はもちろん
砥ぎなど含めたお手入れ方法にも役立ちます。

徳蔵作、和包丁の製作です。

大阪、堺の和包丁造りは分業です。

大雑把ですが、
鍛冶師さん
砥ぎ師さん
の手を経て
問屋さんに渡されます。

本来、問屋さんは作り手さんは企業秘密です。

そこはそれ、ナニハ友ありです。

柳刃、出刃、小出刃、薄刃と揃います。
注)ステンレス系鋼(銀3、V金)は一部工程が変わります。

職方の大将とのコミュニケーションは大切です。

たまには伺い、手土産の一つも持参します。

返事は、おおきに、ええもん造らせて貰います。

関西弁も響きが良いです。

なにはともあれ鍛冶屋さんの工場です。

一本一本丁寧に。


  

Posted by 輝 at 09:18Comments(0)